幸せが溢れたら半沢直樹が「倍返しやっちゃおっかな~」と言ったindigo la Endのアルバム「幸せが溢れたら」
indigo la Endのメジャー1枚目のフルアルバム「幸せが溢れたら」がまぁ良い。ロックバンドでありながら音作りが繊細で最近はこれしか聴いてなくて常に幸せが溢れとる。ご飯が毎日食べれる喜び、就活にやられる喜び、テストに追われる喜び…毎日幸せでさ~ね~
全曲良いんすよ。それをまとめとこうと思います!!いっぱい聴いて幸せを溢れさせよう!ダ~ブルパチンッコ!
ワンダーテンダー
イントロなしでいきなり始まる曲。あの街を出て変わったみたいやけど、今も変わらずに過ごせとるかな?という女性目線で描かれとる曲。今も好きやけどつよがって認めず最後に
好きになって 好きになって
しまった
って言っちゃうこの感じが何とも切ない。その切なさをポップにロックに歌っちゃうところがほんとにヤラシイ。そんでもって疾走感の塊。
1曲目にしてイントロ・アウトロで余韻を残さずに次に行くのが最高。そりゃあ大和田常務も膝を曲げる訳や。
瞳に映らない
これまた切ない曲をポップに歌っちゃうとこが良いんすよね。まずBメロから始まってイントロでAメロっていう構成がLiSAの「紅蓮華」と似とるなぁと思うこの頃です。
LiSA 『紅蓮華』 -MUSiC CLiP YouTube EDIT ver.-
で、歌詞は女性目線で描かれながら好きやった人は亡くなっとるようにも聴こえる訳です。それが
あなたあなたあなたのことばっか
空から想うよ
という歌詞で。それを強く思わせたのがMVなんすよね。これがまた感動モノなんすよ。
解釈としては、えのぴょん演じる男性が過去付き合った彼女と思い出の場所に来て、いないはずなのにアイス(僕の地域はカンカン棒とかパッキンアイスの呼称)を差し出し、未練を断ち切ろうと合コンに行ったらまだ近くにおることを霊感の強い参加者の不自然な会釈で知って踏切の向こう側で涙を流すと。それがパッキンアイスの垂れた液と女性の涙と被らせる描写で終わるというね。個人的な見解です。
このMVが中々に奥が深くて、4分弱の動画で映画3本分の観応えがありましたね。何回でも観ちゃう。
夜汽車は走る
今作のリード曲。ここまで一貫して離れてしまった2人が3曲で描かれとるんすよね。ひたすら会いたい女性の心理が細かく描写されとる。
あなたの頬を触るまで
もう一度触れたら諦めるから
ここの表現がもう…グワァと心の中の僕が何かを出しました。感情がめちゃくちゃになるようなそんな感じです。
ただ面白いと思う表現でもあるんです。女性としては触れて諦める。男性としては触れられたら気持ちが再燃するんすよね。そこは人次第ですけど、男女間の違いはあれど表現されとるここの描写にぐうの音も出ない訳です。
長田さんのリードギターも相まって感情が揺さぶられて半沢直樹がアップを始めました。
心ふたつ
何となく一心同体の言葉が思い浮かぶんですけど、一緒におるはずやったのに離れたことで心が離れて別々になったことをタイトルに表しとるように思うんですよね。
前曲との繋がり、もっと言うと「ワンダーテンダー」から物語が繋がっとるように思うんすよ。離れて会えなくて触れたくての3連単で来てから渇く前に触れたい願い。涙でよく見えんけど好きな気持ちが溢れとる。4曲目で涙腺崩壊させるのエグいって。
しかもこの曲は男性目線っていうね。涙が溢れた表現を写真を見とったっていうのもあるけど「濡れた写真」と書いちゃうとこもさすがの一言。改めてこの曲6分弱やけど男性側の心境に的を得た曲になっとってすごいなと思います。
まなざしの予感
前曲が涙でこの曲は眼差しという目繋がり。ここから第二章が始まると言っても良いんじゃないんですかね。打ち込みというか演奏というか激しいサウンドをバックに語りを入れとるだけの曲。ポエトリーディングっていうやつ。
そして、この曲の聴きどころはなんといっても最後!
ふとした合図で 私を苦しめた
あなたの顔が
という言葉の後に
浮かぶ
って言って次の曲に行くんすよね。間髪入れずに行くところがまた良くて、ここだけで僕はスガキヤの五目ご飯を炊飯器ごと食べました。
実験前
プログレを聴きやすくしたえのぴょんの功績はもっと広めるべきなんすよ。影響を受けたのがゆらゆら帝国やナンバガ等の変態的なサウンドを持つバンドで、そこに追加してスピッツやその他のバンドのポップさを融合させたのがindigoの音楽やと思います。というかえのぴょんの源流か。
この曲も変拍子で荒ぶる演奏というプログレならではを少しポップにならして歌っとる。これはリズム隊の音を聴くべき曲。ベースの後鳥さんが正式にメンバーとなってベースをゴリゴリ鳴らしとるんすよね。そこに乗っかる迫力満点のオオタさんのドラム。最高の一言。
そんでもって、この曲って恋愛でも実生活でも両方ともに言えると思うんすよね。そこが中々に良きです。
あーあ 出来損ないだけどさ
次も失敗するとは限らないじゃない
この最後の歌詞に救われとる日々です。
ハートの大きさ
前曲があれだけ激しいサウンドやったのにこの曲の始まりの歌詞が、
騒いだ後の様相
目に見えるような結果
ただ楽しんだ君は
何もかも忘れていく
というね。あんだけ騒いだのに楽しんだ君は忘れるという。この見透かされたような感じに膝カックンを喰らいました。
というのは置いといて、この曲は「瞳に映らない」のカップリングなので偶然にしても繋がりがすごいなぁと思ったりしてます。
君という呼称から男性目線とみたんですけど、同じ目線と涙が枯れるという歌詞から「心ふたつ」から繋がっとるようにも読めますね。ここだけですけど。
ただ、疲れとる主人公を見ると前曲との繋がりがやっぱりあるんじゃないんかなとも思うんすよね。今日も実験に失敗して形として付き合いながらも心が通ってないというか。まだ未練を感じますね。そこを前面にギターのサウンドで押す。カッコ良すぎる。
花をひとつかみ
イントロのスラップベース。「実験前」といい、後鳥さんのベースがイヤらしくてイジらしい。この後鳥さんのベースプレイから出来た曲が「秋雨の降り方がいじらしい」なんてね。フェイクニュースですよんと。
そんなイントロからは予想のできないサビの優しさ。かわいいよなぁと。半沢直樹もそろそろ言いたそうにしとるし。
これまた男性目線で描かれとる。やっぱり好きやった人のことが忘れられないのを花に重ねて言葉を乗っけとる訳です。それも対比しとる。
花をひとつかみした僕は
まだ君を重ねる
離れても離れても
花をひとつかみした僕は
まだ君を探すよ
これが男性目線で、
花をひとつかみした君は
またすぐに忘れる
離れたら離れるほど
忘れられないあの一輪の花は
どこにあるの
これが男性から見た女性の仕草であり花を女性と重ねた描写。花を好きやった人と重ねる男性に対して女性は時が経つにつれて忘れると。それが離れたら離れた分だけ忘れてまう皮肉な感じ。何とも言えん。
にしてもサビのメロディーに対して言葉が多いから早口に歌ってまうとこが好きすぎて中毒になってまうんすよね。クセ曲よ。
つぎの夜へ
第三章にして最終章の始まりを静かに告げる曲。静か過ぎて子守唄にしたいレベル。次にいこうか悩んどる主人公の心境を覗いとるようで不思議とこそばゆい。まだ忘れられないから心変わりをするか否かで眠れんような気がしとるんすよね。
雪の降ったあとは
帽子に集めて投げたね
その時触れた手から
僕は抜け出せない
それにしてもここの歌詞よ。冷たい手に人の温もりを感じるとよりドキドキするというか、細かい描写ながらここ良いですね。読んどってキュンキュンした。
「もう心変わりして連絡取っちゃえ!頑張れ青年!」って心の中の女性に扮した自分が叫んで少し覚めました。うぅ。
さよならベル
ジャジャジャジャジャジャーン
このイントロで大勝利。コードでいうとこのCm→BM7っていう2つだけですけど、2つだけながらこれで完璧にやってまっとる。長田さんのギターが相変わらず気持ち良い。
とりまMVでのド頭でえのぴょんの目に「indigo la End」と「さよならベル」が浮かぶシーンよね。「瞳に映らない」って歌いながらめっちゃ瞳に映っとるやんけ。
そんなことは置いといて、この曲の魅力は何と言っても夢の中の世界が思い出になっとって起きたくないけど起きんと大人になれない葛藤が描かれとるとこなんすよね。
もういない好きやった人を浮かべながら勝手に進む過去の映像では、泣いたのを抱きしめられんくて苦しんどるというか。切なさ故に後悔がどうやっても思い出せちゃうから辛いのを表しとるように感じるんすよね。
そして朝起きて目覚ましを止めて起きるとこで夢という名の思い出から抜け出すと。やから「さよならベル」ってもう震えるわ。そんでもって、
さよならベルを
鳴らしたんだ
喉が渇いた
と締めるとこ。これは夢の中で好きやった人に対して飲み物を出せなかったから代わりに飲むのか、自販機に戻って買ったコーヒーをまた飲みたくなったのか、単に朝起きて喉が渇いただけなのかっていう聴く人に考えを委ねるパターンなのかなと思ったりしてます。
最後まで聴く人を考えさせるえのぴょんさすがっすよ。にしても良い曲。リピートばっかり。
幸せが溢れたら
ここで遂にアルバムの表題曲が来ましたね。この曲こそ音楽の教科書に載っけて卒業式で歌うべきやと思うんすよ。サビで親御さんびっくりですけど。
この曲はMVと合わせて視聴すると分かるんですけど、好きやった人はもう記憶が無い可能性があるんすよね。
もうあなたを忘れてしまう
涙を浮かべた君は
病のことをしどろもどろに
ここから分かるように忘れてまう病気になっとると。それが分かって逃げ出した自分。確かにズルイなぁと聴きながら思うんですけど、若くして事の大きさに耐えられんかったから逃げたっていうのも分かると言えば分かるというか。
お互い離れ離れになりながらも最終的に思うことは、やっぱりあの人のことが好きやったということ。
もう今更遅いのは分かってる
だけど今でも好きだと伝えたい
それだけだよ
それだけなんだよ
この歌詞に行かせたいがために1曲目から綿密で緻密に細かい描写を映しながら物語を着陸させたと思うんすよね。そこらの恋愛小説より構成がしっかりしとる。その最後に相応しい曲やなと聴いとって感じました。
最後に
ここ最近はこのアルバムを通して聴くのが趣味というか、もはや日課になっとるんすよね。あっという間に聴けてまう滑らかさも持っとって鬼リピしてまうんすよね。そんでもって三部構成という名に相応しいアルバムやと思います。改めて書くと…
第一章
- ワンダーテンダー
- 瞳に映らない
- 夜汽車は走る
- 心ふたつ
第二章
- まなざしの予感
- 実験前
- ハートの大きさ
- 花をひとつかみ
第三章
- つぎの夜へ
- さよならベル
- 幸せが溢れたら
多分こんな感じかなと思います。演奏面で分けた時の第二章の感じが最高過ぎます。分けるのが勿体無いんですけどね。
恋愛に失恋は付き物ですけど、過去付き合った人と復縁したとしても前のような恋はできないんすよね。お互い別れて忘れたいと思った時に2人の記憶から両者は殺されてしまうからやと思うんすよ。同じ人でも心は違うみたいなそんな感じかなって聴いとって改めて感じました。
過去好きやった人に新しい人ができても良かったと言えるそんな男になりたいなとこのアルバムを通して学びました。なので、納得のいかない別れ方をされた人達と一緒にあの人よりも良い恋愛をしたいと叫びたいと思います!
いきますよ~、半沢直樹と一緒に…