宮本浩次のアルバム「ROMANCE」に癒される毎日

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このカバーアルバムがすごい!

 エレカシ宮本浩次(みやじ)がソロとして2枚目アルバムかつ初めてのカバーアルバムとなる「ROMANCE」をリリース!まぁ、これが良いんだわ。どれくらい良いかって言うと、

 

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みやじが歌ったら歌がよりロマンチックになってまうやろ!

とツッコミを入れたくなるくらい。原曲も合わせて聴くことで元の味と変化した味を楽しめるものになっとるんですよね。12種類のスパイスで24の味が楽しめる。それがこの「ROMANCE」であります。にしてもプロデューサーの小林武史は音の扱いが今でも健在やなぁおい!

 

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「ROMANCE」を聴いてアホになった世界のナベアツ

…という感じで行ってみましょうか!

 

 

 

 

 

あなた


宮本浩次-あなた

 小坂明子のカバー。ピアノのイントロからしっとりとした雰囲気の中でみやじが歌い出す。「この手のバラードね」と思ったのも束の間、まさかのバンドサウンドへ突入。サビにブラスバンドが入るのが盛り上がりを助長しとる。

 そしてラスサビにあたるところ。転調して壮大になっとるのがもうたまらん。エレキギターの音も相まって非常にエモーショナル。哀愁漂う中で力強く歌うみやじに毎回。グッとくる。この曲にMV作ろうぜ!って言った人に握手したいくらい。

 そんなこれぞみやじの真骨頂っていうカバー。聴けば聴くほど味が出るスルメみたいな曲。

 

異邦人


宮本浩次-異邦人

 久保田早紀のカバー。原曲の怪しい部分を荒ぶるエレキギターやバイオリン等のストリングスで表現するという。プロデューサーの小林武史(コバタケ)がエグい。っていうのもこの方、ミスチルのプロデューサーやったんですね。90年代のミスチルのヒット曲を手掛けた名プロデューサーでありまして、他多数のバンドにも手を加えています。

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これぐらいは稼いだ

 そういった卓越した音の表現力を持っているコバタケやからこそ変態的なサウンドが出来上がったと言っても過言じゃないんすよね。

 にしてもMVのCGが2020年の鬱憤を晴らしとるかのようですげぇ。

 

二人でお酒を

二人でお酒を

二人でお酒を

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   梓みちよのカバー。ゆったりバラードといった具合にしんみりとさせる。これを夜に聴くと心身ともに癒されること間違いなし。それくらい名曲やと思う。

 初回盤を購入した人には分かりますけど、特典で付いとるデモCDにこの曲の初期音源が収録されとるんすよね。曲の完成形ができる前夜の話ですよ。どんだけカバーしとるねん!とは言ってもこの曲みやじ好きすぎやろ!ってなるわけです。

 でも、そこは名曲に名カバー。みやじすげぇやと改めて思った話でした。

 

化粧

化粧

化粧

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   中島みゆきのカバー。言葉を言い切るサビの歌詞が中島みゆきっぽいなと感じる訳ですが、それをみやじが歌うことで説得力がマシマシになっとるんすよね。いわゆる歌詞増しでカシマシになってエレファントカシマシなんすよね。いや何言うてんねん。

 ピアノ主体のサウンドにみやじの声が絡みつくのがなんとも艶っぽい。それを味わえるアウトロ。原曲知らなくてもこれだけで良いっていうのは分かりますよ。間違いねぇ。

 

 ロマンス

ロマンス

ロマンス

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   岩崎宏美のカバー。「異邦人」と同じようなロックサウンド主体のカバー。往年のエレカシファンからしたらたまらんカバーやないすかね。テレビ出演時にはハンドマイクで歌ってますけど、バンド体制になった時にエレキギターをかき鳴らす姿は容易に想像できるはず。多分ですけどね。

 この曲のラスサビで聞かれる

あなたお願いよ 席を立たないで

の「立たないで」のファルセット部分がもうぐうの音も出ないくらい気持ち良いんすよね。時間にして3:00からの部分。ここのみやじの声だけ永遠にリピートしたいくらい。それくらい良いんすよ。みやじの味が存分に出とる。

 

赤いスイートピー

赤いスイートピー

赤いスイートピー

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   松田聖子のカバー。前曲からガラッと雰囲気が変わるのが良いっすね。この曲のプロデューサーはコバタケではなく蔦谷好位置なんすよね。有名どころやと髭男をプロデュースしたり、エレカシの「笑顔の未来へ」をプロデュースした人です。

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 ロックバンドにはもってこいのプロデューサーさんになるんですけど、その人がこの曲を編曲するのが意外やったんすよね。バラードをロック指向の人が編曲する。想像できないんすよ。

 ただ、原曲の感じを保ちつつ壊してみやじの色に染めとる具合が蔦谷さんにしかできん技やなと何回も聴く度に思ってくる訳です。ストリングスを抑えてバンドサウンド主体にするとこも蔦谷さんならではやと思いますし。

 楽曲の形がコンパクトになってますけど、それがまた良い味を出しとる。そんな「赤いスイートピー」でした。

 

 

木綿のハンカチーフ -ROMANCE mix-

木綿のハンカチーフ -ROMANCE mix-

木綿のハンカチーフ -ROMANCE mix-

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   太田裕美のカバー。原曲が持つ爽快な少女の疾走感を歳の重ねた哀愁ある感じに仕上げとるのがさすがというか。原曲に出てくる少女の30年後っていう感じがこの曲から伝わってきますわね。

 にしてもイントロの立体的なストリングスがまぁたまらん。全体的にですけど原曲と聴き比べてみることでそれは味わえるかと。みやじの歌の上手いとこも。

 

喝采

喝采

喝采

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   ちあきなおみのカバー。皆さんの中では5年前のThe Coversでカバーしたあの印象が強いんやないんですかね。大股でサビを歌うみやじの印象が。僕はそれが強くてあの時の音源を持ってくるんかなと思いましたけど違いましたね。失礼失礼。

 イントロの子守唄っぽいところは置いといて、サビの力強い歌唱はそれこそ5年前のカバーと変わってない印象を受けます。

 ちなみに、このアルバムの中でこの曲が僕は好きです。なんか良いんすよね。胸にグッとくるこの感じが。やから好き。

 

ジョニィの伝言

ジョニィへの伝言

ジョニィへの伝言

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   ペドロ&カプリシャスのカバー。初めて聴いた時はみやじの声とバックの演奏のバランスが取れとって気持ち良いなぁって思いましたね。タイトルに出てくる「ジョニィ」、実はエレカシの「まぬけなJohnny」や「ジョニーの彷徨」と同じなんすよね。

まぬけなJohnny

まぬけなJohnny

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ジョニーの彷徨

ジョニーの彷徨

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っていうのは冗談。これはジョニィから聞きました。

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リアル「ジョニィの伝言」

 ラスサビの最後の方で聴こえるみやじのファルセットに味があるんすよね。そこにはエレカシでのデビューから散歩中の現在まで培った全てが詰まっとるってな具合で。毎回思いますけど「喝采」からの流れが良いっすね。

 

 

白いパラソル

白いパラソル

白いパラソル

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   松田聖子のカバー。今作2杯目の聖子ちゃん。いやぁ、「青い珊瑚礁」といいTUBEより前の海ソングの市場を占めとったのは間違いなく松田聖子やないけ。多分ですけど。それか永遠の若大将・加山雄三。とりわけこの楽曲の爽快感ほんとに気持ち良い。海岸線の道を窓全開にして爆音でこの曲聴きてぇ。

 この曲ってサビの開放感がとにかく気持ち良いんすよ。特にみやじの「パラソル」の発音がもろそれ。4文字だけで堪能できるっていうのは中々無い。それが良い。それだけで良い。

 

 

恋人がサンタクロース

恋人がサンタクロース

恋人がサンタクロース

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    ユーミンのカバー。この曲のBメロからサビにかけてのドラマチックな展開がまぁたまらんすわね。タメを作って「こいびとがー」ってなるあの間が良いんすよ。原曲はもちろん好きですけど、より恋人がサンタクロースになっとるかのようなメルヘンチックさがみやじのカバーからは感じるんすよね。

 ユーミンのカバーをアルバムに収録するのは初めてじゃないんすよ。エレカシのアルバム「STARTING OVER」で「翳りゆく部屋」を13年前にカバーしとる訳です。

翳りゆく部屋

翳りゆく部屋

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   要するに2回目なんですけど、時が経ってもユーミンとみやじが合わさった時の化学反応はエグい。イコールで結んだ時に俺がサンタクロースになりそう。(えっ)

 

 

First Love

First Love

First Love

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   宇多田ヒカルのカバー。宇多田ヒカルのカバーってだけで驚くのにエレキギターを一弦ずつ鳴らすアルペジオで弾き語るとこでまた驚くというね。みやじに2回も恋するって誰がSecond Loveや。

 転調後のラスサビでストリングスが鳴る。けどそれは抑えめでみやじがあくまで主役という形になっとる。よう分かっとるわ。

 そんなこんなで終始みやじにうっとりしながら終わると。意外な組み合わせながらちゃんとみやじの歌になっとるのが良いのよね。これこそカバーの気持ち良いところ。

 

 

最後に

 気が付いたら「あなた」をクリックしたあなた。紛れもなくみやじの魅力にやられてますね。何回も聴きたくなる気持ち分かります。そんな惹かれる部分が多いアルバムが今回のカバー作品なんすよ。

 カバーした楽曲の良さや演奏陣の豪華さは言うまでもありませんが、何よりプロデューサーあってアルバムが成り立っとると言っても過言じゃありません。コバタケや蔦谷さんといったみやじの良さを知っとる人が最大限に良さを引き出した結果がカバー曲の再評価に繋がっとると思います。

 そういったプロとプロの集合体で組み合わさったカバーアルバムの最高傑作が宮本浩次の「ROMANCE」やと思いました。

 

 そんな各家庭に1枚置いておきたいアルバム。みやじの声で癒しの日々を過ごせること間違いなし。

宮本浩次 初めてのカバーアルバム「ROMANCE」を語る! - YouTube