「フジファブリック」/ フジファブリック
2004年11月10日発売。フジファブリックが発売した1枚目(通算3枚目)のアルバム。
(収録曲)
1.桜の季節 <Alubum ver.>
2.TAIFU
3.陽炎
4.追ってけ追ってけ
5.打上げ花火
6.TOKYO MIDNIGHT
7.花
8.サボテンレコード
9.赤黄色の金木犀
10.夜汽車
何を書こうか迷いましたが、「フジファブリック」というフジファブリックがリリースしたデビューアルバムがあることに気づきました。このアルバムを端的に伝えたいと思います。
では、端的にフジファブリックの「フジファブリック」を書いていきますオールドマンです。お願いします。
1.桜の季節 <Album ver.> 5:13
2004年4月14日に発売された1枚目のシングルであり、フジファブリックのデビューシングルです。今作と「陽炎」「赤黄色の金木犀」「銀河」の四季盤シングル、の一発目であります。イントロのギターのリフが新生活を告げる春のような、そんな曲です。
桜の季節過ぎたら
遠くの街へ行くのかい?
桜のように舞い散って
しまうのならばやるせない
春というのは出会いの季節と別れの季節であります。同時に新生活のスタートであります。想い続けた人が遠くに行く…。そんな儚い思いを代弁している曲です。
oh ならば愛をこめて
so 手紙をしたためよう
作り話に花を咲かせ
僕は読み返しては感動している!
自分で書いている文章を読んで感動しているのです!
しかも無いことを!
すごいです!
なんで「!」⇦を多用しているかって?
自分で作ったストーリーを美しすぎて、それを読み返して感動しているからです!(ん?)
まとめ
スケールの大きい春の曲です。Dメロの追われるようなドラムに複雑な曲の構成。同じ歌詞が繰り返されるのにボーカルの志村さんの哀愁さえ感じる歌い方。
最初に聴いた「oh~」より最後の「oh~」の方が力強さや説得力が感じられます。そんな曲。
シングルとアルバムでのミックスが詳しく分からないのが悔しいです。
2.TAIFU 3:42
はい、いただきました。フジファブリックの、いや、志村さんの変態的なメロディーと歌詞。メロディーに当てはめる言葉がたまらないんですよね。
メロディーが変態なのにそれに被せるように書く言葉が変態です。
飛び出せレディーゴーで 踊ろうぜ だまらっしゃい
飛び出せレディーゴーで 踊ろうぜ だまらっしゃい
歌詞はAメロ・Bメロ・サビ・Dメロ、その時に出てきた言葉がループされるように同じ言葉が繰り返されています。唸るギターと煌めくシンセサイザー、疾走るベースとドラム。
投げやりになった時に聴く・元気になりたい時に聴くと面白いようにテンションが上がります。ちなみに僕はバイト前に聴いてます。(知らんわ)
まとめ
ギターロックとはこれだ。日本のロックとはこれだ。それを体現した曲。
3.陽炎 4:55
2004年7月14日に発売された2枚目のシングルであり、四季盤シングル第2弾です。フジテレビの「スカッとジャパン」での「青春スカッと」で流れた事もあり、耳馴染みである人もいるのではないかと考えています。
イメージとしては「幼い日のガキ大将だった自分を思い出す」という姿かなと。
あの街並 思い出したときに何故だか浮かんだ
英雄気取った 路地裏の僕がぼんやり見えたよ
また そうこうしているうち次から次へと浮かんだ
残像が 胸を締め付ける
大人になって久しぶりに帰ってきた地元。小さい頃はみんなのヒーロー。そんな姿でしょうか。
時間は早いもので、過ぎて行くのが早いです。矢のように過ぎて行くとはこの事かと。
そんな幼い日の思い出や青春の1ページが残像として思い出して駆け回る。これです。
またそうこうしているうち次から次へと浮かんだ
出来事が 胸を締め付ける
残像が「影」なら、出来事は「実像」でしょう。はっきりしたものだと思います。
思い出せるものが矢継ぎ早に浮かんでくる...という事は、きっと昔の街並を現在の街並とリンクさせていたのでしょうね。昔のやり直したい後悔や一緒に帰ったこの道も、今となっては上書きされて昔の面影は無くし、後悔も笑い飛ばしている事だと感じます。でも…本心は違うはずです。それがここの歌詞。
ピアノから始まるところが現在だとしたら、バンドサウンドが入る瞬間は英雄気取りの過去でしょうね。
つまり、夏の雨降りの後に聴きたくなるギターロックでありピアノロックです。
まとめ
暗くは無いサウンドで決して悲しくは無いのに、歌詞が深いなと。LIVEでは盛り上がります。そんな曲。
4.追ってけ追ってけ 4:42
インディーズ時代にリリースされた「アラモード」をリテイクしたバージョンです。どう変わったかは分かりません。
歌詞は正直よく分かりません。深いというか奇妙というか...。
だけど不思議なギターフレーズがクセになる。不思議な言葉がクセになる。そんな曲です。
キーボードといい全部が変態。このサウンドは志村正彦にしか作れないと感じます。
まとめ
不気味ながらもクセのある曲で、聴くたびに味が滲み出る。そんな曲。
5.打上げ花火 5:13
夜霧の向こう側 人影が見えたんだ
ぱらぱらぱらぱらと 鼻垂らし小僧だった
運ばれてくるのは 焦げ臭い香りだ
ちかちかちかちかと 瞬くものを見た
微唾むお月さんの顔めがけ打上げ花火を撃った!!
のっそのっそお地蔵さんの行列も打上げ花火を撃った!!
以上が歌詞です。少ない?少ないです。
今まで6行の歌詞の曲がありましたか?ありました。この曲です。
打上げ花火といえば…今年のヒット曲の1つに挙げられるDAOKOと米津玄師が歌っている「打上花火」ですが、違います。フジファブリックの打上げ花火も負けてません。サウンドで楽しんでください。
この中でバンドサウンドが好きな人はいますか?好きな方はいますか?大事なことなので2回言いました。
そんなバンドサウンドが好きな方にオススメな曲です。前半はスローなバンドサウンド。後半はドラムとギターがスタートの合図を出し、速度が上がって行きます。
止まりません。
しかし、友達とカラオケに行って歌ったら嫌われます。嫌われるというのか…自己満足で終わるため、ヒトカラで歌う分には良いかもです。
まとめ
バンドサウンドが好きな人にはオススメな曲。志村さんの多様な世界観が垣間見ることができる1曲であり、バンドのコピーでやっても面白い曲。
軽音楽部のそこの君!ぜひやってみないか!
6.TOKYO MIDNIGHT 4:45
何処からともなく 夜更けの街は
いやらし男と かしまし娘
パジャマで パヤパヤ
朝までお邪魔?朝までお邪魔?
これが歌詞です。「えww」と草の生える方いると思いますが、笑わせてなんかいません。バンドサウンドが良いのであって、この歌詞に乗る言葉があって曲が成り立つのだと思います。
イントロから聴かれるドラムのリズム。重たたしいリズム。この曲はベースがいいんです。耳を澄ましてください。あのベース。かとをさんのあのベース。
「かしまし娘」の歌詞が終わりバンドサウンドへ。この曲も前曲と同じく「サウンドで聴かせる」タイプの曲だと考えています。
まとめ
良い意味でバンドのグルーブ感を楽しめる曲。これもカラオケで歌うと変な空気になってしまう曲かなと感じますが、バンドでやった時の爽快な気持ちはたまらんのでしょう。(知らんわ)
7.花 4:49
久しぶりに「歌」に帰ってきました。全編優しいメロディーが耳を包みます。ロックな志村正彦とバラードな志村正彦。その才能に脱帽でしかないのですが、等身大の歌詞を書けるからこそ身に沁みる気がします。
花のように儚くて色褪せてゆく
君を初めてみた日のことも
花は驚くように早く枯れていきます。人の人生のように儚く、物語があって終わる…。そのどれもが人間に重ねてしまう。花が人間ではなく人間が花のようなんです。華のある人生にしたい。隠れたメッセージかもしれないです。
曲自体はアコギでアルペジオでアコースティックで全編演奏されます。足音が入っていたりノイズが入っていたりしているのは意図してということなのですが、「1日1日過ごしている生活の中で雑踏もあって綺麗な1日は無い」という1日の流れを表している気がします。
そんな優しい曲です。
まとめ
思い出は儚いものです。いずれ散ってしまう。いずれ忘れてしまう。初めて見た好きな人の事も笑顔も。
そんな曲です。夜聴くと、もうそれはそれは...尚更でございます。
8.サボテンレコード 4:04
この曲の好きなエピソードが「作るはずもなかった」という話です。突発的にできた曲であり、でもサビのメロディーが好きなため「どうサビまで持っていけば」と考えて作った曲でもあるため、Aメロからサビに行くまでは同じ曲に聴こえなくもないです。
ならば全てを捨てて あなたを連れて行こう
今夜 荷物まとめて あなたを連れて行こう
ここがサビなわけですが、非常に良きです。例えるなら何でしょう。いちごに練乳がかかっている事でしょうか。甘くて、でも練乳の隙間から垂れるいちごの果汁。たまらん。すごく良き。(知らんわ)
この曲はLIVEで化けます。2006年での日比谷の野音でのLIVEで演奏された時はテンポが早かったため原曲と違う感じがして違和感すらもありましたが、良い意味でダークホース的存在だと感じました。鮮やかなアウトロのギターソロがピアノと相まって昂りを見せる…。面白い曲です。
まとめ
歌詞は喧嘩した男と女がメインかなと。仲直りして全て捨ててあなたを連れて行きたい。
そんな夢からできた曲で、アルバム終盤に向けてバランスを整えるための重要な曲。
9.赤黄色の金木犀 3:58
2004年9月29日にリリースされた3枚目のシングルであり、四季盤シングル第3弾です。哀愁あるバンドサウンドが胸を締め付けます。疾走感がまた気持ち良い曲であり、秋にリリースされた事もあるため、「秋っぽい」とどこか感じます。
僕は残りの月にする事を
決めて歩くスピードを上げた
の「スピードを上げた」でドラムが走っていくのですが、ここがたまらないのです。LIVEでテンポの早い動画を見つけたのですが、あの速さは異常であります。
そういえば、「桜の季節」「陽炎」「赤黄色の金木犀」のシングルはどこか一貫性がありますね。
「春」は別れの季節で、遠くに行く 人に想いが伝えられずにやりきれなくなり、
「夏」は久しぶりに帰って来た故郷の景色を見て過去を思い出し、
「秋」は気持ちを伝えれなかった・感傷的になってしまった気持ちも引き連れて行く。
みたいな感じです。ただ、決めた後に感情を思い出して胸が騒いでしまう…。このことは分かります。すごく分かります。特に秋はそんな季節。
「赤黄色の金木犀」は哀愁がありながらも胸を張って生きていく決意が見られる。そんな曲。
まとめ
隠れてしまう曲でありながらも、このアルバムを通して言いたかった想いを全て吐き出してくれた曲です。
このような曲をスルメ曲と言うんでしょう。それくらい良い曲です。
10.夜汽車 4:13
最後を締めるのに相応しい曲。「花」と違い、眠った際に夢へ連れて行く架け橋を夜汽車が担っているようなバンドサウンドが気持ち良いです。
夜汽車が峠を越える頃 そっと
静かにあなたに本当の事を言おう
峠はてっぺんの12時とかですかね。12時を越えれば昨日は明日になります。寝る人が多くなり街の灯りが少なくなる頃、夢の中に繋がるレールをあなたの元へ敷いて夜汽車に乗って言えなかった事を言おう。
そんなことを思っていたら良いな。そんな曲です。
まとめ
優しくも夜を包む曲であり、夢の中へ誘う・連れて行く表現を夜汽車で表しているのかなと思わせる。そんな曲。
総括
フジファブリック の「フジファブリック 」は日本のロックアルバムです。日本のロックとはこれだ…の答えに近いようなアルバムで、異論あると思いますが、僕はアルバム「フジファブリック」こそが日本のロックの真骨頂かなと思います。
唸るギター・踊るシンセサイザー・疾走るドラム・響くベース。今までのゴリゴリのギター掻き鳴らすロックバンドとは違い、新しいロックバンドの境地を開拓したアルバムであり、新しいカテゴリです。上手くまとめられないのが申し訳ないのですが、日本のロックを体現してくれたアルバムがこの「フジファブリック 」なのです。そんな僕の好きな1枚でした。
そして今日12月24日は志村さんが遠くに行ってしまった日です。クリスマスイブですが、音楽に魂や命を削り最後の最後まで曲を作り歌詞を書き、1人のロックンローラーとして我が道を進んだと感じています。今後フジファブリック についてのブログを書いていきたいと思っていますが、今日はこの「フジファブリック 」という記念すべきメジャー1枚目のアルバムをしたためさせていただきます。
寝る前にフジファブリック の「笑ってサヨナラ」と「眠れぬ夜」でも聴いて寝床につきますか。
今日はここまでとします。
駄文と乱文で申し訳無いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。