エレファントカシマシの「町を見下ろす丘」とかいう名盤
簡単に名盤とか言いたくないんですけど、このアルバムは本当に良いんすよ。高校3年の下校中にひたすら聴いてたんですけど、軸がしっかりしてて聴きやすいんすよね。曲の輪郭がくっきりと見えますし。そんな僕の大好きなアルバム「町を見下ろす丘」について書いていきます。テヘッ!
2006年の3月29日リリース。東芝EMI時代最後のアルバム!乃木坂の生田絵梨花(いくちゃん)の親戚に当たる名プロデューサーの佐久間さんプロデュース!ではいきますよ!
地元のダンナ
イントロの疾走感よね。確か、みやじがローリング・ストーンズの来日公演を観に行って曲のイントロが浮かんだって下の記事で読んだな…。
タイトルとは裏腹の疾走感はギャップ萌えよね。Eのコードでここまでかき鳴らす事ができるのってこの時のみやじならではだし、エレカシだからできた事だと勝手に分析しておりまする。
2013年の復活の野音でやった時のこの曲の入りがまぁピッタリ。さすが中学・高校の同級生!そして朝に聴くのがピッタリ!
理想の朝
またどこかで書きますけど、エレカシのアルバムに「扉」というのがありまして。その3曲目が「地元の朝」というね。朝繋がり。それが「旅立ちの朝」に繋がる訳…ではないんですけど。はい。
めっちゃ明るいのよね。ポップだし、こんな清々しい朝を迎えられたら良いよなぁという話よ。仕事とか学校辞めたらこれは手に入るんかなって思ったりしてますけどね。辞めませんよ~。モーニングショットのタイアップにピッタリなんやけどなぁ~。
甘き絶望
歌詞が難しい。解釈が難しい。タイトルとは裏腹な曲の明るさがまた良きでして。言えることとして、仕事で失敗した時や悪い事が続いた時に聴くと間違いなく身体に沁みます。これは間違いない。時間帯は夜。夜に聴くと次の日は頑張ろうと思える。そんな曲であります。
この曲が桜の花、舞い上がる武道館で演奏された時のカッコ良さはマジでハンパないっすよ。是非。
すまねえ魂
この哀愁よね。悲しみ最前線を突っ走ってる。ギターの音がそれを助長してて、聴く度に切なくなるんすよ。こんな哀愁しかない曲はあんま無いなって。
最初聴くのが苦手だったんですけど、友達に謝る時にこの曲のスクショを送り付けてから好きになったので、この曲の力は不思議だなぁって思います。
シグナル
この曲を書きたいがためにこの記事を書いてるようなもんなんですけど、この曲がまぁ名曲なんすよ。まじで。なんでかって言うと、勇気付けられるのと歌詞がノーベル文学賞クラスなんよね。特にサビの歌詞。
どの道俺は道半ばに命燃やし尽くす
その日まで咲きつづける花となれ。
これがサビの歌詞なんよ。背中押されますよね。この熱量の歌詞がずっと続いていきます。それくらいすごく熱い曲でして。何回助けられたか…。
それとコード進行!サビがD→F♯→Bmの始まりでして。恋愛の曲に多いこのコード進行ですけど、背中押す応援歌にこれは割と珍しいというか。僕はこのコード進行を「壁」と呼んでるんですけど、何かを越える感覚があるんです。だから「壁」で。それが人生と引っ掛けてる…みやじすげぇなぁって勝手に考えてます。
夜に聴くと沁みます。まじで。
今をかきならせ
思わず走りたくなってしまうイントロのギター。ギターの石くんが暴れるように弾いてるのが想像できますね。実際にギターソロではみやじが「オゥ ギタァァァァァァァァ!!」と言って石くん弾いてますもんね。いつしかの野音にてですけど。
このアルバム。もっと言うと「扉」と「風」といった前々作・前作のアルバムから古典的な歌詞の書き方をみやじはしてて。だから「よう」を「やう」と書いてたり、「い」を「ゐ」と書いてるんですね。それがまぁかっこいい。いや、かっこゐゐ。
縦書きの歌詞で読ませるタイプの曲が多くて、この曲もそう。奥が深い。歌詞に出てくる「浦島太郎」でさえも奥が深いのかなって思うし。それは歳をとって聴くと感じるんすよ。だからこのアルバムは玉手箱。レコード会社「竜宮城」からリリースされたエレカシのアルバム「玉手箱」よ。
人生の午後に
哀愁漂う曲。雨の日に聴くとなお良し。高校の下校途中に聴いて僕は沁みました。外が雨っていうのもあったと思うんすけど、それはすごく感じました。高校生だったので僕はまだ人生の午前ですけどね。
この曲のサビに当たるところで「鳥が~」と歌っている場面がありますが、僕はずっとトリガーと勘違いしてました。アースジェットのトリガーノズルかなって。あれ、そんな曲やっけ。
雨の日に…
サウンドがめっちゃかっこいい。みやじの「絶唱」がまたまた炸裂する訳ですけど、エレカシの曲で「旅人」っていう歌詞が出る曲は名曲しかないですね。「孤独な旅人」や「永遠の旅人」や「夢を追う旅人」などなど。タイトルになっちゃいましたけど、他にも良きなんで是非。また、日常を切り取った曲でして、
カラスがアホウとないて飛んだ
バスに乗り僕は揺られてゆくよ
といった歌詞が出てくる訳ですが、これって実は赤羽の風景なんじゃないか説。みやじの地元での生活風景が顔を出してたり、カラスがこのアルバムには重要なワード(ジャケ写もカラスだし)で赤羽の団地を彷彿としているというか。勝手な妄想ですけど。そんな話。
流れ星のやうな人生
ここからの流れはあっという間で、なおかつ好きな流れの1つです。肩の力を抜いて聴ける曲でありまして、それでいて背中を押してくれる応援歌でもあります。特に、
いい気になったり 落ち込んだりして
陽がしづみまた陽が昇る
「今の自分を信じてみなよ」
流れ星のやうな人生
この歌詞よね。応援歌なんですよ。このアルバムの中では好きな曲の1つであります。
I don't know たゆまずに
まずコード進行なんですけど、Eがキーとなる音なのにAメロはC→Bの往復で。氷の洞窟にいるみたいな感覚になりますよね。透き通ってるというか。Cが入るんだって。異質よね。でもそれが良い味を出しててたまらないというか…。
今を恐れずに・たゆまずに行けば良いというこれも一種の応援歌ですよ。みやじが当時の自分を俯瞰して見れたのが曲に表れててジーンとする訳です。
ギターで弾くと楽しくて、曲を聴くとジーンとする。そんな稀有な曲です。
なぜだか、俺は祈ってゐた
締めに相応しい曲。バラードで人生の終わりに聴くのが1番ベストでして。変な話、僕はこの曲を死ぬ間際に聴いて人生を振り返りたいんです。それを思わせたのは冒頭の歌詞でして、
子供の頃俺は、毎日精一杯生きて、いつの日か誰かの為に
格好よく死にたいと、そればかり思って、涙流してゐた。
この歌詞よ。もうじんわりと何かが溶けていくのが分かりますよね。人間の生き様は死に様だって「歴史」では歌ってましたし、みやじは死に方というのにこだわりがあるのかなって色んな曲を聴いて感じます。
そんな歌詞に「忘れてゐた」と付け加えて、
さよなら、愛しい日々よ。
さよなら、愛しき今日よ。
と畳み掛けてグゥワァとなる訳で。いぶし銀の味が出てるなぁって思います。そんなアルバム・人生の午後の締めに相応しいラストの曲であります。
最後に
個人的に大好きなアルバム。無人島に10枚持ってくならと言われたら持って行く1枚ですし、仮に宮崎県の知事になったら奉納品として納めてほしい1枚でもあります。それくらい好きで。
歳を重ねたらその分このアルバムの味わい深さも増すと思います。ずっとこれからも聴き続けたいなぁって。そんな話。
ではでは。オーライ。