Mr.Childrenの新しいアルバム「重力と呼吸」

 






なんですかこのアルバム。はしたない…

 

 みたいなシンデレラに出てくる意地悪なお母さんの声が聞こえてくる。それくらい「流れ」と「ここしかない!」と言わんばかりの曲のハマり具合。そりゃ10曲でピッタシですよ。

 

 「少ない」とか「物足りない」とか分かるけど個人的にはピッタシ。そんでもってプレイパスがあるのは泣くほど嬉しかった。もうMusic Playerしか開いていない。曲をスマホに入れるために実家に帰る事が多かったが、QRコードで読み取って曲を聴く便利さ。感動で涙の量がナイアガラの滝を超えた。

 

そんなお久しぶりのアルバムレビューを。

 

 

 

 

Your Song

 


 26年目を迎えるバンドの曲がここまで瑞々しいのってそうないと思うんすよ。まず、MV観た時ですよ。田原さんのギターにカポが付いていて、まぁ透明感がある理由が分かったんですね。


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という事は「半音下げのキーなんかぁ」って思ったりしてるんすよね。

感覚で言うと前作「REFRACTION」収録の「幻聴」のような曲だなぁと。

 

幻聴

幻聴

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 でも、REFRACTIONのツアーで「Everything(It's you)」を演奏する時に桜井さんが「タイトルに(It's you)と付いた曲をやります。」この時のニュアンスが「みんなに向けて」という事での紹介だったんですね。でもこの曲がリリースされた時や歌詞から見るにあまり大声では言えないんですけど、「不倫」をモチーフにしてるじゃないですか。

 

 そこから(It's you)の立ち位置は、「愛する人→みんな」に変わっていったと勝手に捉えてるんです。それがこの「Your Song」には「聴いてくれるリスナー」とプラスして、桜井さんがギターの田原さんにベースのナカケーにドラムのJENに向けて歌っているんだと聴いていて感じますね。つまり「愛する人→みんな→みんな+メンバー」かなと。

 

 

こんな文を読んでたら皆さん裸になりたがってませんか??



海にて、心は裸になりたがる

 

海にて、心は裸になりたがる

海にて、心は裸になりたがる

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 唸るベース。ベース単体で桜井さんの声が乗るという事は無かった気がしますね…。いろんな方が呟いたりしてるように、80年代のロックのような・BUMP OF CHICKENのような・BOØWYのような、挙げればキリがないくらいのロックしてるなぁと。感覚的に「旅人」っぽい曲ですな。

 

旅人

旅人

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 ワンオクと対バンしたり、ap bankで若手のバンドと共演したり・それを見たりのインスピレーションが個人的にはこの曲に詰まってる気がしてならない。

 

 あとひとつ!この曲聴いてると桜井さんのシャウトが出てくるけど、これ絶対LIVEに来た人を巻き込むやつやん。

 

 

桜井:「キャモーンッ!」

客:「ウォーーーーーオーーオーー!」

 

 

この画が浮かぶ。寧ろ浮かばないに他がない。



SINGLES

 


Mr.Children 「SINGLES」 MUSIC VIDEO

 

 中毒性高めの曲。「SINGLES」の「シングル化」を期待してたら「ALBUM」に収録されて「お、おぉ…」って元カノと会って気まずくなる例のあの状況。モロあれ。

   良い曲には変わりないんですよ。ただ、ドラマ「ハゲタカ」を観てた時に1番だけしか聴いてなかった関係で2番以降が「そっちいくぅ~のぉぉ」ってなりまして。

 

 ドラマで聴いていた方をストレートだと野球の球種で表すなら、フルで聴くと2番以降はフォークだなと。大魔神佐々木のような2球種だけで抑えてる感覚。それこそ2010年の浅尾も忘れないで!みたいな。間奏で「そこくる!?」という感覚に苛まれた。とにかくギターといい演奏が暴れてる。

 

 このような所から、ミスチルは幅が広いなぁと勝手に聴いていて感じてしまった。ある意味事件。



here comes my love

 

 

 ロックロックで続いてロックバラード。もうロックロックこんにちは。バラードさんこんにちは。

   配信シングルで1月にリリースされた曲。とあるフォロワーさんが呟いていてなるほどと思ったのが、
 

「himawari」とこの曲で次のアルバムは「生命」を意識したアルバムではないか。少なくとも軽いアルバムではない。

 
とのこと。確かにその通りだと一通りアルバムを聴いて思った。

 

 つまり、この曲がリリースされた事で今作の表情がはっきりしたのだ。それくらいこのアルバムを担ってる。いわゆる「軸」。ギターソロを桜井さんが弾いてるので、そこが聴きモノだし見モノ。



 

箱庭

 

箱庭

箱庭

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 確かにサザンっぽい。これもとある方が呟いていたのだが、サザンにありそうな曲やなぁって。サザンや桑田さんの曲でもブラスを弾いているのが山本拓夫さんという事がそう思わせているのかもしれない。

   4曲目まで張り詰めた緊張感を解すのに適した曲で、秋という今の時期の夕方前辺りで聴きたい。楽しい曲。



 

addiction

 

addiction

addiction

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 一転してシリアスな曲。イントロのエレキの「ガチャッガチャッ」っていう音を聴くじゃないですか。耳を澄ますと聴こえるんですけど、もう全俺が濡れた。

 

 あれがLIVEで聴ける・観えるとなると濡れ過ぎて風邪ひくわ。それも田原さんがやるかもしれない...嗚呼、想像するだけでご飯がススム


 キーボードの世武裕子さんのテクニックだったり、今回のツアーに帯同するサポートメンバーに抜擢された理由が何となく分かった気がした。歌詞はモロ自分を慰めてるアレ。ギリギリやけど。

 

 

それか白い粉。「ヤクブーツはやめろ フォッフォッフォ~」の人が頭にチラつく。


 

 

 

 でもサウンドがカッコイイ。それこそ「擬態」のような透き通る感覚は感じられるけど、歌詞の内容は正に”真逆のSENSE”。

 


擬態 / Mr.Children



day by day (愛犬クルの物語)

 

 

day by day (愛犬クルの物語)

day by day (愛犬クルの物語)

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 ポップでギターが全面に出てる曲。これってホームセンターとかで流れとる曲じゃない?とか脳内で自問自答してるんすけど、分かった。

 

 

「カーマ」の館内に流れとる音楽や!

 それか「しまむら」。「エディオン」もありやな。大穴で「バロー」とかかな。

 

 

思いっ切りローカルネタになったけど、まさしくそんな感じ。

 

 サウンドが最高で歌詞で「お、おぉ…」となったのはこの曲とエレカシの「歴史」。

 

歴史

歴史

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 特に「歴史’’前夜’’」は正しくそれに当てはまる。「歴史」の歌詞は森鴎外の曲になってしまったけども。


 

 まぁ、「愛犬クルの物語」は楽しいから何ともないんですけどね。

 

 それよりこの元ネタは何やろう。


 


秋がくれた切符

 

 

秋がくれた切符

秋がくれた切符

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 最高過ぎませんか…。何が最高って、バラードなんですけど季節が明確化されてること。曲のサウンドや歌詞から今まで季節を読み取っていたのに対し、この曲はそれを超えてきた。「秋」という季節が明確化されてるからそれもあるかも。

 

 あと歌詞に出てくる「茜色の夕日」という言葉。フジファブリックが好きな自分として、この単語が出てきた時に感動が止まらなかった。


 

 というのも身震いが止まらない。身震いの連続。西野カナ以上に震えた。

 

 それこそ虹やヒカリノアトリエのツアーで披露された「こころ」に「おとぎ話」といった曲と同じような立ち位置だと感じた。その中で選ばれたのは「綾鷹」ではなく「秋がくれた切符」。

 

 これもとある方が呟いていたのだが、この曲からコブクロを感じると。分かりすぎて首がもげるくらい頷いた。



 

himawari

 

 

 皆さんご存知のこの曲。映画「君の膵臓をたべたい」の主題歌。主題歌にして近年のミスチル楽曲のラスボス。勇者ヨシヒコが「Tomorrow never knows」や「HANABI」といった90年代~00年代の曲を倒してHPが10を下回った中で出てきて「もう降参です...」と言わせるような最強の敵 ー。それが「himawari」かなと。ポケモンダイヤモンド・パールで苦戦した思い出のある「レジギガス」だ。そう、この曲は「レジギガス」だ。

 

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himawari、レジギガス

 「himawari」は表記に無いがアルバムmixになってる。再録verというやつだ。全体的にアコギの音が小さくなって、田原さんのギターが全面に出てる。そんでもってリズム隊の2人の音も変化してるように聴こえる。小細工がたまらなく気持ちいい。

 

 

himawari

himawari

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himawari

himawari

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皮膚呼吸

 

皮膚呼吸

皮膚呼吸

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    アルバム「DISCOVERY」のラストに収録されている「Image」の強化版。しかし、確実に進む「決意表明」をしてる。

 

Image

Image

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 タワレコで配布されていたフライヤーでは

 

昔の自分を振り返りつつ、いまも夢見ることを諦められない現在の心境をストレートに歌っている。

 

 

と書いてあった。今までを振り返りこれからも戦っていく決意表明がこの一文から垣間見えた。

 

 ここで聴く「深呼吸して」は空気を吸う=色んなバンドの情報を取り入れる事だろう。英語詞がいつもより多く感じるのは少なくとも対バンやプライベートで仲の良いONE OK ROCKやボーカルTakaの存在が大きいと勝手に考えてる。考えた。考えるに他がなかった。

 

 それが「深呼吸して」や「皮膚呼吸して」から読み取った。



 

 最後に

 長々書いてきましたけど、アルバム「REFLECTION」が好きな人は間違いなくハマるし、デビュー26年目のバンドがこんなにも瑞々しくて新しい境地に足を踏み入れている事に驚きが隠せない。

 例えミスチルが「ジャイアン」という曲を出しても誰も不思議がらないだろう。今の世の中それで通るのはミスチルの他には星野源だけだと感じるし、違う視点でいくとRAD辺りではないだろうか。

 

 アルバムリリースに向けて語った文がホームページに掲載されている。

 

www.toysfactory.co.jp

 


 この中で語られている文をスクショした。以下である。

 

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 ベテランバンドが若手バンドに火を付けて、若手バンドがベテランバンドを超える合戦が繰り広げられたら聴く曲を悩ますし、ある意味嬉しい悲鳴だ。それしかない。

 

 最後に、今回のツアーのセトリを考えてみた。やる曲は分からないけど、何となくアルバム「深海」「I♡U」「SENSE」と今作「重力と呼吸」の曲がベースになるのではないか。だとしたら泣ける。泣いてLIVEをガイシで観てくる。

 

今からすごく楽しみ。