FIGHTER GIRL、17才の秋

 20011111日、Base Ball Bearが結成された。高校の文化祭のために結成されたバンドは「青春」を感じさせる曲を世に輩出し、それらの曲がリリースしていく度に4人の演奏技術が進化していった。

紆余曲折。メンバーが4人から3人になった事もドラマのように捉え、それをも武器にしてしまう3人は進化し、そして深化していった。

 20181111日、Base Ball Bear17才になった。「檸檬が弾けるような日々」を体現したバンドは、コピバン時代だった幼少期から音楽シーンに怒りを込めた反抗期・思春期を越えて現在、3人なりの17才を過ごしていた。これを僕は「青春期」と名付けたい。



そんな「青春期」真っ最中の3人のLIVEを観た。


the pillows


1.I think I can

2.Ride on shooting star

3.カーニバル

4.STALKER

5.ニンゲンドモ

6.Calvero

7.Spiky Seeds 

8.サード アイ

9.ハイブリッドレインボウ

10.Sleepy Head 

11.Locomotion,more! more!



the pillowsLIVEを観るのは初めてだった。それこそ曲で言えば「ストレンジカメレオン」に「ハイブリッドレインボウ」や「Funny Bunny」しか知らず、ミスチルの「つよがり」という曲をカバーしたくらいの知識でいた。不安要素高めでLIVEに臨んだのが本音だった。


が。


えっ、嘘やろ。


何これ、めっちゃ


かっけぇっっつ!!!!!!


「ギターロックとはこれだ!」と言わんばかりのカッコ良さ。ギターとベースとドラムの音の絡まり具合が本当にえげつない。the pillows3人にサポートベースとして入ったBase Ball Bearの関根嬢がまた良い味を出していた。Tシャツの文字そのままの「FIGHTER GIRL」で、1111=ベースの日 という事もあって燦然と輝いていた。
 
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さわおさんがギターを光線銃のように見せて観ているファンを撃ち抜いていた。フリで撃ち抜いていたけど、これが本当にカッコいいのよ。間違いなく観ているファンのハートを撃ち抜いていた。もうメロメロでごわす。


「ハイブリッドレインボウ」の演出効果がエグいほどカッコ良くて、チカチカと照明を付けたり消したりしてて。前の女性が眩しさのあまりにタオルで覆ったりしてました。それにつられて僕もタオルで隠しました。はい。

それは次の曲の「Sleepy Head」でも行われて、もう見えなくても良いやの精神でステージに睨めっこしてたら案の定目が痛かった。でも、この演出効果がすごくて、それこそコマ送りで展開が進んでいって、カッコ良さが増し増しだった事も付け加えたい。


唯一怖かった事は、前に割り込んできて暴れるように楽しんでいた男性の首がすわってなくて、幾度となく後ろに体重をかけて観れなくなる覚悟をした事ですね。はい。


そんな中でthe pillowsLIVEが終わり、楽器等の転換の時間がやってきた。ステージをずっと観ていた時に見た事のある方が後ろを振り向いた。いつもお世話になっている音楽仲間の方だった。少々広い会場の中で会う確率は低かったが、まさかのまさかで3列前にいた事には驚き驚き。後列にいたのがファンの波に押されて気が付けばステージ付近まで来てて、これにも驚き驚き。終演後も話しましたが、LIVEを楽しんでいたのがヒシヒシと伝わっていました。

そんなびっくりでしたという話でした。




Base Ball Bear


1.ドラマチック

2.PERFECT BLUE

3.SHINE

4.LOVE MATHEMATICS

5.君はノンフィクション

6.short hair

7.Tabibito In The Dark

8.THE CUT

9.yoakemae

10.17


アンコール

1.Funny Bunny with 山中さわお

2.新曲(試される)


ダブルアンコール

1.祭りのあと



そしてBase Ball BearLIVE

最初のFmaj7の音にC7アルペジオの音で「あっ、」と思って流れた「ドラマチック」でスタートして興奮の渦&渦。冬に足を突っ込んだこの季節に聴く夏ど真ん中の曲も良きっすね。ほんとに。


青々しい情景が広がってカポタスト5フレットに固定させてギターがかき鳴らされた「PERFECT BLUE」へ。こいちゃん、ギターうめぇ


今回のツアーでギタボのこいちゃんがストラトっぽいテレキャスのギターで演奏してるんすよ。それをインスタのストーリーに載っけてて。

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そのギターと3人体制でほぼ毎回登場してる白色のギターの2本体制でLIVEをやってるんだぁとこの時思った。










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そんな5カポの「PERFECT BLUE」から4カポの「SHINE」へ。この曲をまさか聴けるとは思ってなくて、脳内が「ヤバいヤバいヤバい」で覆い尽くされました。そんでもって買った白色のロンTが汗でグチャグチャになって、1人ヤバイTシャツ屋さんになってました。パリピが集まってマジヤバみ。

んでもってのギターソロ。やっぱり狂っとる。カッケェ


毎度の名古屋の狂ったファンの方と「LOVE MATHEMATICS」でおかしくなれるのは嬉しい限りで。首のすわってない人がいたり、いきなり後ろから前に割り込んでマサイ族のように飛び跳ねる人もいたり。そして熱狂的な堀之内バスターズが多くいたり。怖いけど、自然とおかしくなれるのが名古屋の強いところかなと思います。(笑)


「君はノンフィクション」で関根嬢がベースをチャップマンスティックに替えて演奏したり、ここのグルーブ感・一体感が最高に気持ち良かった。

3人でこの曲を演奏する事。確かに音が足りないように聴こえたけど、それを越えるまとまりが最高に気持ち良かった。本当に気持ちイイ。


打って変わって下北沢のガレージで苦楽を共にした「128日」というバンドを想って書いた名曲「short hair」で全てが浄化された。この曲の持つ透明度は4人から3人になっても失われなかった。

歌詞を間違えても良い曲は良い曲だし、それ以上にアウトロのギターソロがもろギタリスト・小出祐介でたまらなかった。


アウトロで言えば「Tabibito In The Dark」もカッコ良くて、迫り来るドラムの堀さんのパワフルで暴力的なキックにドラムに惚れ惚れした。ミラーボールがまたダンスフロアと化したダイアモンドホールを加速させて、踊り狂ったねもう。


狂って狂って「THE CUT」へ。形にアレンジを変えた曲で覚醒した曲でもあるのがこの曲。もうフリースタイルダンジョン。例えるならパピコを溶かして、中身を別の容器に移して食べるみたいな感じ。「何これ?新種のアイス?」と見せかけて、「実はパピコだよ~」っていうあの感じだなぁって思いますね。はーい。


狂って狂って狂って「yoakemae」へ。ダンスフロアと化したダイアモンドホールで余計におかしくなれる曲が来て身体がおかしくなった。しかも3人体制での「yoakemae」が聴ける感覚。イントロのエフェクターで鳴らすノイズを流し、シンセっぽい音は無しだった気が。

それ以上にカッティングであれだけ魅せられる事が出来るのって、小出祐介しかいないんじゃないんですかね。かき鳴らして歌詞の詰め込み具合も歌ってもうすげぇよすげぇ


記念すべき17才にバンドがなった今日、「17才」を歌って本編を締めるんですよ。アルバム「十七歳」リリースから11年。紆余曲折あって3人で鳴らす「17才」がまた良い味を出していた。

今が3人にとっての「青春」だなぁって最初の文に戻ります。それに尽きます。


本編が終わってアンコールへ。スペシャルゲストとしてさわおさんが登場!トリビュートでカバーした名曲「Funny Bunny」を演奏。さわおさんが金と黒のラベルを片手に歌うとことか、ホロ酔い状態で歌う姿。マジでロックスターでした。生き様がほんとにカッコいい。もう好き。


終わって告知をする時の狂った名古屋の感じよ。ホントに好き。まぁ、新曲のリリースとか聞いた時に大声で「よっしゃあ!!!」って言ったのは自分なんですけどね。

それは置いといて、好きな状態でリリースされるCDに感動してます。絶対フラゲして耳にタコにイカにクラゲを呼んで水族館にしてやる勢いで楽しみにしてます。


の状態で披露された「試される」。表記がよく分かりませんが。

ちょっと危ない感じの曲。何となく「Fragile Baby」っぽさがあって、「黒髪」っていう歌詞があったからお得意の路線かなって思ったり。分からんけど。


もしこの曲にMVが作られるなら、チャットモンチーの「きらきらひかれ」のMVのような黒色の背景が似合うなぁ。



で、メンバーがソロのカット時に本人と本人で対面で演奏するみたいなのが浮かんでます。イメージだとミスチルの「REM」のLIVE映像が一番近いかも。LIVE映像のスクリーンに映るアニメーションかな。


ダブルアンコールで狂って狂って狂って狂って「祭りのあと」でおかしくなれて終了。3人になっても力強い演奏が軸になって、良いところは失われずに鉛のように突き進むバンドのこれからの可能性に触れて余韻に浸って終了ですね。

で、「愛はおしゃれじゃない」を聴きながらお酒を飲んだ訳ですが、LIVE終わりのお酒は最高。それで打った文がこれな訳で。

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友人はビール、僕は氷結のグレフルを飲み干しました(^_^)/\(^_^)


HUBというのは何かを繋ぐもので、ネット用語の1つという事を高校の授業で習いました。それをまさかこの場面で使うとは思いもしませんでした。

そんなBase Ball Bearに出会って様々なバンドの音楽を知れたり、ラップやギターロックにシティポップのジャンルに踏み込めたのも、ベボベに出会わなければ知れませんでした。そして「青春」について深く追求するきっかけも。
LIVEは友人と行って、アパートの前で3時間くらい高校の時の事や音楽の話、最近の事を話して感傷的になってました。すごくエモいなぁって。それらも込み込みで。



そんなベボベ17才の日にLIVEを観て、改めてHUBについて考えた夜なのでありました。